京町家へのこだわり

京町家「繭」を構成する町家・工場は大正末期から昭和初期に建てられた建物で、築100年以上経過した歴史的建造物です。

奥行きの深い町家独特の「うなぎの寝床」の空間的特徴を最大限に生かし、可能な限り伝統的工法を採用して改装。人目をひくデザインは極力回避し、その上で現代的用途に対応できるような空間設定を施しています。

ガラス越しにみる

表の通りに面した格子をはじめ、ガラス戸に至るまでこの町家の建具はすべて、他の町家で使われていた物を再利用しています。
ガラス戸のガラスの多くは製造技術の未熟な時代のもので、外の景色がゆらいで見える「ゆらぎガラス」を使用しています。特にカフェのガラス戸は必見です。

ぽつぽつ照らす

解体前の町家から譲り受けたり、アンティークショップやリサイクルショップで部品ごとに購入し、修理・組み立てをした照明器具を使用しています。
小径、廊下、室内、トイレ。それぞれの空間に合わせたセレクト。一つとして同じものがないおもしろさを体感してみてください。

質感をたのしむ

二つの主屋の外部の壁は「鉄粉入り稲荷山黄土水捏ね仕上げ」と呼ばれる仕上げを施しています。
壁の表面の黒っぽい部分は土の持つ鉄分が表面に現れたもので「サビ」と呼ばれています。
この仕上げは鉄粉の周囲からサビが浮き上がり、蛍が鱗粉しているように見えることから特に「蛍壁」と呼ばれる珍しい仕上げです。

トイレ外部の壁は「錆土(別名大阪土)引摺り仕上げ」です。鮮やかな山吹色の土を特殊な鍐で波たたせて仕上げています。茶室等にしばしば使われている仕上げ方法です。
トイレの内外には同じ土で三つの異なる表現で仕上げを施している壁があり、その違いを楽しんでください。

手仕事にふれる

板張り壁として、坪庭横のトイレ内部など何ヶ所かに市内の寺院で天井板として何百年も使用されていたものを再利用しています。
鋸で一枚ずつ板を挽いていた時代のもので、その風格を損なわないようにあえて鋸の痕がはっきり見える裏面をおもてに使っています。

ときめく水場

二つあるトイレの手洗い器は大屋宇一郎氏によるオーダーメイドの陶器を使用しています。
手洗い器を納めているカウンターは市内の町家の床材として使用されていた桜の一枚板で、伝統的な顔料である松煙墨、紅柄・柿渋を調合したものを塗り込む「古色」を施しています。

雨樋の水仕舞いに古瓦で受けをつくり、玉砂利を敷き詰めました。この瓦は市内の寺院の修復工事で廃棄処分になるところを譲り受けてきたもので、江戸時代宝暦年間(約250年前)のものです。
周囲の犬走りは修学院離宮の一二三(ひふみ)石状に小石を配しています。

うなぎの寝床

露地に敷いた板石は解体前の民家の庭から譲り受けたもので、それ以前はおそらく市電の路面に敷かれていたであろう一品です。
露地・坪庭の配石、植栽は庭師の河丘草生氏の手によって作り出された空間芸術です。

「京町家 繭」では、感度の高い場所に人を包み込む余剰空間を設定し、"ものづくり"を中心とした情報基地・居場所を皆様にご提供いたします。

「京町家 繭」内にある丸益西村屋では、京友禅の体験工房を設けています。また、オリジナル和雑貨のショップや貸しギャラリーを併設しています。

昔ながらの京都を見に。日常生活に溶け込んだ京都の良さを体感しに。伝統と革新を体験しに。是非一度足をお運びください。

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